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「内証」 “世界はとても不思議だ” そう言うおじいさんも、不思議な人だった。 ときおり視線が何かを追っているのを僕はよく見る。 「何を見ているの?」 聞いてもおじいさんは いたずらっぽい瞳を向けるだけで 答えてはくれなかった。 〜見えていることを 話してはいけない。 彼らは 知られることを恐れるからだ。 本にも載っていない 不可思議な生き物たち。 本当はいることを知っているけど 認めてはならない。 これは 言葉にしてはならない。〜