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「オオキイノ チイサイノ」
オオキイノは体の大きなこども。
チイサイノは体は小さいけれど大人。
種族は違うけど、二人はいつも一緒に過ごしています。
「起きてください、オオキイノ」
チイサイノが遊びにやってきました。
「オオキイノ!起きて!」
「・・・チイサイノ サッキ カエッタバカリ。オオキイノ マダ ネムイ。」
「オオキイノが寝てる間に、私は帰ってごはんを作って、片付けして、十分な睡眠をとって、朝食もとった上、さらにお散歩まで済ませてしまいましたよ。
太陽だって、あんなに高く昇っているじゃありませんか。」
「・・・・・Z Z Z」
「起きてくれないなら、またツムジを突きますよ・・・」
「・・・オキル」
「チイサイノ ハ モウオオキクナラナイ?」
「私はこう見えても大人なんですよ。オオキイノはこんなに大きいのに、まだこどもなんですねぇ。」
チイサイノはそう言って、オオキイノに寄りかかり、眼を閉じて耳を澄ませました。鼓動のなる音がゆっくりと聴こえ、”あなた達は同じ時間を過ごしていても、違う速さで生きているんだよ。”神様にそう言われたように感じました。
トク・・・トク・・・トク・・・
その音がとても優しく響くので、チイサイノは何故だか悲しくなってしまいました。
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